食品プロセスの単位操作
食品製造に用いられる濃縮方法の代表的なものには、蒸発濃縮、膜濃縮、凍結濃縮があります。
食品製造の分野で用いられているもので最も一般的な濃縮方法です。
対象製品としては、各種果汁、牛乳の濃縮、糖質類、ジャム及びマーマレードの煮つめ等です。
食品製造では、多くの場合熱不安定物質を原料とするので、低温で操作できる真空蒸発が用いられます。例えば牛乳では乳蛋白の凝固防止の観点から、45℃~55℃の蒸発温度がとられています。
食品製造において最も重要なことは衛生管理が容易で生物物質の変敗が防止できることです。そのためには清掃、殺菌が容易で、十分行われる必要があります。
このため食品工業では、プレート式および薄膜流下式エバポレーター等が多く選択されています。
エネルギーの有効利用も重要な要素で、(1)蒸発缶を多重効用する、(2)供給蒸気についても工場排熱等を有効利用した蒸気発生装置等を考慮する、必要があります。
UF、RO膜を利用して、限外濾過法または逆浸透圧法により濃縮する方法です。
対象製品としては濃縮果汁、乳製品等があります。常温で操作する為加熱による調理加工をきらい、復元性を求められる製品に良いとされています。ただし、微生物汚染、洗浄性の問題があり、高度の運転管理が必要となります。
食品原液中の水分を凍結させて濃縮する方法です。
メリットは膜濃縮と同様ですが、設備および運転費が高く、高付加価値の製品向きです。